医療・福祉の現場で治療・検査・保育等により，人間にかかわる業務を遂行していく上で欠かす
ことができないのは正しい倫理観である。なぜなら，自分が行為・行動を起こすときのきっかけや
選択の基準となるものは個人の倫理観が決定する。専門職として正しい判断を下すための基礎つく
りを本講義から学んでほしい。
　最終的には事例ごとに自己決定を尊重すべき，尊厳を保障すべき，公平公正に処遇すべきなどの
基本的な原則に則った思考・判断ができることを到達目標とする。

1  倫理学を学ぶ目的と意義
2　生殖医療と生殖補助医療の倫理
3　人工授精と体外受精
4　卵子保存と代理出産
5　出生前診断の技術と人工妊娠中絶の倫理
6　脳死は人の死といえるか
7　脳死者からの臓器移植
8　終末期医療とホスピス
9  インフォームド・コンセント〜医療関係者と患者〜
10 安楽死と尊厳死の倫理
11 医療事故と医療過誤
12 先端医療と倫理１ 再生医療（iPS，ES細胞，細胞シート，細胞マトリックス）
13 先端医療と倫理２ 遺伝子診断，遺伝子治療
14 先端医療と倫理３ クローン技術，エンハンスメント
15 人間の尊厳
　　　

　講義の終了時に毎回，講義内容に沿って自分で考え答える形式の小テストを実施します。生命や
死，医療倫理などについて新聞等の報道をよく見，聞きすること。

　生命や生と死の問題，医療福祉の倫理的諸課題を自分の問題として捉える努力をしてください。

　受講態度，小テスト，レポート提出，筆記試験で総合的に評価します。

　質問・意見は講義中・講義後に関わらず受けますので遠慮無く発言してください。